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湿疹を同じ場所に繰り返す

同じ場所に繰り返す湿疹
について

湿疹身体の同じ場所に繰り返し湿疹が起こる場合に、アトピー性皮膚炎の診断となることがあります。
アトピー性皮膚炎は、「増悪・寛解を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患」であるとされています。(日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」)
アトピー性皮膚炎の治療は、症状が落ち着いた期間も継続して行う必要のある治療です。長期にわたる根気のいる治療のため、ご本人やご家族の治療に対する十分な理解が必要です。当院では、患者様一人ひとりに適した治療方法と、症状を繰り返さない適切な予防方法をご提案しております。繰り返す湿疹にお悩みの方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。

 

湿疹の種類

湿疹が伴う代表的な疾患は、以下の通りです。

  • 脂漏性皮膚炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 手湿疹
  • 貨幣状湿疹
  • 痒疹
  • 接触皮膚炎

など

湿疹の治療

外用薬

ステロイド外用薬と保湿剤による治療が基本となります。アトピー性皮膚炎の治療では、外用薬の塗布量やタイミング、塗り方に注意する必要があります。症状の緩和と再発予防を行います。当院では、患者様に応じて使用方法や塗り方などきめ細かく説明しております。

内服薬

かゆみの症状がひどい場合に抗ヒスタミン薬を併用することがあります。適切なスキンケアと軟膏治療で症状のコントロールがよければ使用しません。

生活指導・エクササイズ

日常生活の中で運動習慣を身に着けることで、代謝向上や血流促進、リンパの流れ促進などによって、皮膚バリアの機能を上げられます。ご自宅で気軽にできるエクササイズやストレッチ、呼吸法など適した生活改善をご提案しております。

湿疹に関するよくある質問

乳児湿疹とアトピー性皮膚炎はどう違いますか?

生まれたばかりの乳児期の皮膚に出てきた全ての湿疹を総じて乳児湿疹と言います。特に新生児の皮膚は柔らかく、敏感なため、湿疹が出来やすい特徴があります。乳児の湿疹が2カ月以上続く慢性的な場合は、アトピー性皮膚炎である可能性があるため、ケアをしながら経過観察をして診断します。沐浴などで肌を清潔に保ち、保湿をしっかりと行っても乳児湿疹がなかなか改善しない場合は、アトピー性皮膚炎が疑われることを念頭において適切な治療を行います。安易にステロイド軟膏を使用することは、症状をマスクしてしまうことがあるので注意が必要です。

ステロイド軟膏の副作用が心配です。

短期間の使用では大きな副作用はありませんが、長期使用することで他の薬と同じように副作用があります。ただし、正しい軟膏管理を行うことで副作用を一時的なもので済ませることができます。主な副作用としては、皮膚が少し薄くなる、血管が目立つなどですが、軟膏の使用を中断すれば自然に戻ります。思春期以降の軟膏塗布で起こる副作用は戻りにくいため、乳幼児期のうちに最低限の軟膏塗布で湿疹を綺麗にしておくことが大切です。当院では、乳幼児のお子様に適したステロイド軟膏を処方しており、安全に治療しております。

ステロイド軟膏と保湿剤はどちらを先に塗れば良いですか?

どちらを先に塗っても構いませんが、基本的に患部にステロイド軟膏を先に塗って、その後保湿剤を塗るようにしております。ステロイド軟膏の多くはワセリンに薬を配合しているので、おなじ場所へステロイド軟膏とワセリンなどの保湿剤の重ね塗りは必要ありません。

保湿剤は1日何回ぐらい塗れば良いですか?

お子様の場合は、1日2回朝と晩に塗ってください。朝起きた時と入浴後に塗布します。特に、入浴後は皮膚が乾燥するため、必ず保湿剤を塗りましょう。また、湿疹のある皮膚は細菌が付着しやすく痒みを起こしてしまいます。これらの細菌を洗い流すためにも最低1日1回は入浴してください。

保湿剤を使う理由はなんですか?

保湿剤を塗ることで、皮膚の乾燥を防ぎ、外界の異物やアレルゲンの侵入や付着を防ぎます。特に、子どもの皮膚バリアの機能は低く、保湿剤を塗って皮膚を保護しないと症状が悪化してしまいます。

身体の洗い方に気を付けることは何ですか?

石鹸をよく泡立てて洗います。アトピー性皮膚炎の皮膚には細菌が棲みつきやすく痒みを引き起こしてしまいます。それらを洗い流すためにも、しっかりと泡を立てて全身を洗います。当院では特に洗い方の指導を重視しております。

症状が良くなったら治療はどうなりますか?

ステロイド軟膏を減らしても大丈夫と判断された場合は、保湿剤のみ使用してケアします。ただし、ステロイド軟膏を一気に中止すると炎症を抑える力がなくなり悪化するので、ステロイド軟膏の減らし方は医師の指導に基づいて行ってください。

赤ちゃんのアレルギーの発症を防ぐことはできますか?

赤ちゃんのアレルギーは防げます。最近の臨床研究結果から、生後3日間の栄養方法や適切なスキンケアを行ってすべすべの肌を保つことでアレルギー発症を防ぐことが可能とされています。